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アムゼルくんの世界 Die Welt des Amselchens 

光へのオマージュ


東京近辺の冬は、冷たい空っ風が吹くものの、陽の照る日が多く、部屋の中の窓際で猫と一緒にごろんと日向ぼっこなどしたことが無性に懐かしい。

そのありがたさがしみじみわかったのは、ドイツへ来てから三年もたったころだろうか。

当初は寒さに気をつけるようにといわれて、意識がそっちのほうへばかり向いていたからだ。

しかしドイツの冬の寒さはそれほどでもない。

問題は日照時間なのだ。

日の出は遅く日の暮れは早い。

そして日中、陽の射すことはまれである。

どんよりと低く重く垂れ込めた黒い雲が、まるで空にふたをしたような、

まるで壷のなかに押し込められたような息苦しさを感じる日がつづくのだ。

これが、どうしようもなく人の気分に影響する。

だから人は、冬にはたいがい眉間にしわを寄せている。

頭痛もする。

低気圧だからだ。

そんなとき、どうするか?

ひとそれぞれ対策はあろう。

地中海地方やカナリア諸島、あるいはカリブ諸島などへ逃げ出すもの、

スキーへでかけ気晴らしするもの、

映画や音楽界へ頻繁に出かけるもよし、

とにかく気候のことを頭から追い払う苦心をする。


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わたしは、イタリアの夏を想う。

いつもならナポリだ。

カプリ、ソレント、イスキアと輝く夏の海岸を想う。


今年は南チロルの写真を眺める。

まぶしくもまろやかな光、

暖かくやさしい風にそよぐ高原の野草、

その息吹、

わずかひとときの夏の日々の刻印、

それだけで、

ながい暗い冬に対抗できそうだ。


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by amselchen | 2008-11-28 01:53 | ZD40-150