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アムゼルくんの世界 Die Welt des Amselchens 

遥かな森有正


「念のためつけ加えると、僕はここで別に経験論哲学を論じようというのでもなく、また経験というものを学問的、論理的に定義しようというのでもない。そうかといって、経験というものを、俗にいう経験を積んだ人、という場合の意味に解しているのでもない。

このあとの意味では、経験というものは一つの手段の意味に、金を溜めるこつ、という場合のこつを心得る、という意味に近いものとなるが、そういう意味に解しているのでも勿論ない。

僕の言おうとする経験がこの二つの意味にも何かの点で触れることは否定できないが、そういう意味は、さしあたり関心の外にある。僕にとって大切なのは、妙な言い方をすると、経験がどういうものか、ということの経験である。」
(『遥かなノートルダム』所収「霧の朝」から引用)



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かって昭和でいうと45年から55年ころ、つまり西暦では70年代ですが、日本の学生の誰もが、というと誇張でしょうが、少なくとも学生であった私が知る範囲で、よく読まれてていた森有正ですが、今はもう忘れ去られた作家に数えられるでしょう。

そこでこれから、手元にある『森有正全集』を紐解いて、わたしが当時感じいり、そしてわたしの「経験」のために大いにやくだってくれた言葉を少しづつ紹介してゆくことにしましょう。

例によって、また中途半端にとつぜん終了してしまうかもしれませんが、どうか多めに見てください。
by amselchen | 2008-08-28 04:42 | Tessar 2.8/50